2008年2月23日土曜日

戦力見抜く新たな目 三浦流熟知の沖田コーチ 開幕までJ1偵察行脚

対戦相手の戦力を分析する「スカウティング」の担当として今年からチームに加わった沖田優コーチ(29)が、熊本合宿で精力的に働いている。大宮時代の三浦監督の下で3年間、スカウティングの専門家として働いた経歴の持ち主。札幌が強豪ひしめくJ1で戦い抜くためには、新コーチの働きが鍵を握りそうだ。  17日、熊本で行われた韓国・水原三星との練習試合。観客席には、ビデオカメラを設置し、グラウンドを鋭く見つめる沖田コーチの姿があった。  相手はJ1ではないため、札幌の選手の動きを映像に収めるのが目的だったが、今後、シーズン開幕まで全国各地へ「偵察行脚」に出かける。3月に対戦する鹿島、横浜M、柏の戦力を丸裸にするためだ。  沖田コーチは千葉・成田高から筑波大に進み、筑波大大学院サッカー部のコーチを経て、2004年に三浦監督率いる大宮の普及部のコーチに。J1に昇格した05年からは、三浦監督が去った後の07年まで、分析担当のコーチとして活躍した。  三浦監督は昨年から、しばしばデータの重要性を強調していた。敵、味方の長所、短所を具体的な数字で示し、選手に分かりやすく説明できるメリットがあるからだ。だが、昨年は分析専任の担当者がおらず、強化担当やコーチが兼任していた。  格上のチームと対戦が続くJ1。分析の重要性を昨年にも増して痛感していた指揮官は、気心の知れた、かつての部下に白羽の矢を立てたわけだ。沖田コーチは「札幌は久々のJ1なので、生きたデータを伝えたい」と自分に求められている役割を自覚している。  まだ29歳と若く、ミニゲームで人数が足りない時に選手の代わりに入ることもある。スタッフからは「沖ちゃん」と呼ばれており、すでにチームに溶け込んでいる。  三浦監督以外にも、札幌とは縁がある。筑波大時代、当時FWだった曽田と2トップのコンビを組んでいた仲だ。「懐かしい。まさか一緒のチームでやるとは思ってもいなかったが、互いに協力してやっていきたい」。新コーチは人懐っこい笑顔で決意を語った。

(北海道新聞より引用)

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